○茨城県南水道企業団指定給水装置工事事業者の違反行為に係る事務処理要綱
令和6年9月3日
企業団訓令第10号
(趣旨)
第1条 この要綱は、茨城県南水道企業団指定給水装置工事事業者(以下「指定工事業者」という。)に対し、水道法(昭和32年法律第177号。以下「法」という。)及び茨城県南水道企業団指定給水装置工事事業者規程(平成10年企業団訓令第1号。以下「規程」という。)に基づき行う指定の取消し等に関し、必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この要綱における用語の定義は、法及び茨城県南水道企業団水道事業給水条例(平成9年企業団条例第2号)の例による。
(指定工事業者審査委員会の設置)
第3条 指定工事業者の指定の取消し及び指定の停止に関して、公正の確保と透明性の向上を図ることを目的として、規程第20条の規定に基づき、茨城県南水道企業団指定給水装置工事事業者審査委員会(以下「指定工事業者審査委員会」という。)を設置する。
2 指定工事業者審査委員会は、委員長及び委員をもって組織する。
3 委員長及び委員は、次に掲げる職にある者をもって充てる。
(1) 委員長 事務所長
(2) 委員 次長及び茨城県南水道企業団組織規程(令和4年企業団訓令第3号)第2条に規定された課の長
4 指定工事業者審査委員会は、委員長が招集し、委員長が会議の議長となる。
5 委員長は、必要があると認めるときは、指定工事業者審査委員会に水道技術管理者、当該事案の関係職員等の出席を求め、その意見又は説明を求めることができる。
6 指定工事業者審査委員会は、委員の3分の2以上の出席がなければ会議を開くことができない。
7 指定工事業者審査委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは委員長の決するところによる。
(違反行為の調査、報告等)
第4条 給水課長は、指定工事業者が規程第9条各号のいずれかに該当する行為(以下「違反行為」という。)を行った疑いがあるときは、職員を指名し、速やかにその事実関係について調査を行わせるものとする。
2 給水課長は、前項の調査において違反行為の事実が認められたときは、当該指定工事業者に対し、直ちに違反行為を是正するよう指導するとともに、てん末書の提出を求める。
(処分の基準等)
第5条 指定工事業者が違反行為を行ったときは、別表第1に定める違反点数を当該指定工事業者に付加するものとする。
2 違反行為が同時に2以上の工事又は別表第1に掲げる2以上の項目に該当するときは、それぞれの違反点数を加算するものとする。
4 違反行為に係る指定の取消し又は指定の停止処分及び指導は、違反点数の累計に応じて行うものとし、その基準は、別表第2に掲げるとおりとする。
5 違反点数は、当該違反に係る処分又は指導を決定した日を起算日として、2年間累積するものとし、当該期間を経過した日に消滅するものとする。
6 違反点数の累積期間内に、規程第6条第1項の規定により指定が失効し、その後、新たに指定を受けたとき又は事業を廃止し、その後、再度指定を受けたときは、失効前又は廃止前に付加された違反点数及び累積期間を引き継ぐものとする。この場合において、指定を失効していた期間又は廃止後再指定を受けるまでの期間は、累積期間に含めないものとする。
7 指定の停止処分を受けたときの指定の停止期間は、違反点数の累積期間に含めないものとする。
(1) 違反行為が故意ではなく、かつ、その損害が軽微と認められる場合
(2) その他、企業長が特に認めた場合
(1) 指定の取消しに該当するとき 聴聞
(2) 指定の停止に該当するとき 弁明の機会の付与
2 聴聞の実施に当たっては、聴聞通知書(様式第3号)により通知する。
3 聴聞は、給水課長が主宰する。
5 弁明の機会の付与に当たっては、弁明の機会付与通知書(様式第6号)により通知し、企業長が口頭での弁明を認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)の提出を求めるものとする。
(指定工事業者審査委員会による審査)
第7条 企業長は、前条の聴聞又は弁明を受け、指定の取消し又は指定の停止処分を行おうとするときは、指定工事業者審査委員会に諮問しなければならない。
(処分の決定)
第8条 指定の取消し及び指定の停止処分の決定は、前条第3項の報告をもとに企業長が行う。
(処分の通知)
第9条 企業長は、処分を決定したときは、速やかに処分決定通知書(様式第8号)により当該指定工事業者に当該処分の内容を通知する。
(給水装置工事主任技術者に対する措置)
第10条 企業長は、法第25条の4に定める給水装置工事主任技術者に、法に違反する行為があったと認めるときは、その旨を所管する大臣に報告する。
(処分後の工事施工)
第11条 処分を受けた指定工事業者は、新たに指定を受け、又は指定の停止期間が満了するまでは、一切の給水装置工事を施工することができない。ただし、企業長が特に必要があると認めたときは、承認を受けた給水装置工事であって竣工していないものに限り、施工することができる。
(その他)
第12条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項については、企業長が別に定める。
付則
この訓令は、令和7年1月1日から施行する。
別表第1 茨城県南水道企業団指定給水装置工事事業者の違反行為に係る処分基準
区分 | 法 根拠条文 | 関係法令条文 | 指定工事業者規程 | 違反内容 | 指導方法・対応 | 違反点数 | ||
法 | 施行規則 | |||||||
① 指定要件違反 | 1 事業所ごとに給水装置工事主任技術者を置かないとき。 | 事業の「休止届」又は「廃止届」を提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 50点 未対応 500点 | |||||
2 国土交通省令で定める機械器具を有しなくなったとき。 | 不足している機械器具を備え付けるよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 50点 未対応 500点 | ||||||
3 精神の機能の障害により給水装置工事の事業を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者であることが判明したとき。 | 指定工事業者が個人の場合は、「廃止届」を提出するように指導する。指定工事業者が法人の場合は、欠格条項に該当した役員を他の者に変更した場合は処分しない。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 未対応 500点 | ||||||
4 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者であることが判明したとき。 | 指定工事業者が個人の場合は、「廃止届」を提出するように指導する。指定工事業者が法人の場合は、欠格条項に該当した役員を他の者に変更した場合は処分しない。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 未対応 500点 | ||||||
5 水道法に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者であることが判明したとき。 | 一律に指定を取り消す。 | 500点 | ||||||
6 指定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者であることが判明したとき。 | 一律に指定を取り消す。 | 500点 | ||||||
7 業務に関し不正又は不誠実な行為をしたとき。 | 様々なケースがあり得るが、違反行為の内容及び程度によって処分を決定する。再犯の場合又は悪質と認められる場合は期日を定めて警告した上で、欠格要件に該当するとみなして指定を取り消す。 | |||||||
(1) 無断通水、メーターの不正使用等をしたとき。 | (1) 240点 | |||||||
(2) 給水装置工事申込書を提出せずに給水装置工事に着手したとき。 | (2) 50点 | |||||||
(3) 給水装置工事に係る書類等に虚偽があったとき。 | (3) 100点 | |||||||
(4) 工事が竣工したにもかかわらず竣工届を提出しないとき。 | (4) 40点 | |||||||
(5) 検査の改善指示に従わないとき。 | (5) 500点 | |||||||
(6) 道路占用(掘削)許可、道路使用許可を受けずに工事を施工したとき。 | (6) 350点 | |||||||
(7) 道路占用(掘削)許可、道路使用許可の受けた内容、条件等に従わない工事を施工したとき。 | (7) 100点 | |||||||
(8) 道路掘削するにあたり、事前の埋設物調査を怠り、埋設物を破損し、被害を与えたとき。 | (8) 100点 | |||||||
(9) 施工上の安全管理を怠り従業員を死傷させたとき。 | (9) 300点 | |||||||
(10) 施工上の安全管理を怠り公衆に死傷者を出し、又は被害を与えたとき。 | (10) 400点 | |||||||
(11) 指定停止処分中に工事を施工したとき。 | (11) 500点 | |||||||
(12) 過去に文書による警告を受けているにもかかわらず、故意に違反行為を繰り返したとき。 | (12) 500点 | |||||||
(13) その他の業務に関し不正又は、不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者と判明したとき。 | (13) 50~500点 | |||||||
8 法人であって、その役員のうちに上記3~7のいずれかに該当する者がいることが判明したとき。 | 欠格条項に該当した役員を他の者に変更した場合は処分しない。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 未対応 500点 | ||||||
② 給水装置工事主任技術者選任等義務違反 | 第25条の4第1項・第2項 | 1 指定工事業者の指定を受けた日から2週間以内に給水装置工事主任技術者を選任しないとき。 | 「選任届」を速やかに提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 90点 未対応 500点 | ||||
2 選任した給水装置工事主任技術者が欠けた日から2週間以内に新たに給水装置工事主任技術者を選任しないとき。 | 「選任届」を速やかに提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 90点 未対応 500点 | ||||||
3 給水装置工事主任技術者の選任又は解任の届出をしないとき。 | 「選任届」、「解任届」を速やかに提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 90点 未対応 500点 | ||||||
4 給水装置工事主任技術者が同時に2以上の事業所において選任され、その職務を行うに当たって支障が発生したとき。 | 該当する給水装置工事主任技術者の兼任を解き、「解任届」を提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 90点 未対応 500点 | ||||||
③ 変更の届出義務違反 | 第8条第1項、第2項 | 1 次のいずれかに掲げる事項に変更があって、当該変更のあった日から30日以内にその届出をしなかったとき。 ① 事業所の名称及び所在地 ② 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 ③ 法人にあっては、役員の氏名 ④ 給水装置工事主任技術者の氏名又は給水装置工事主任技術者が交付を受けた免状の交付番号 | 「変更届」を速やかに提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 90点 未対応 500点 | ||||
2 事業を廃止又は休止したときは、当該廃止又は休止の日から30日以内に、また、事業を再開したときは、当該再開の日から10日以内にその届出をしなかったとき。 | 「廃止届」、「休止届」、「再開届」を速やかに提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 90点 未対応 500点 | ||||||
3 上記1及び2について虚偽の届出をしたとき。 | 「変更届」を速やかに提出するよう指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 100点 未対応 500点 | ||||||
④ 事業の運営基準違反 | 1 給水装置工事(軽微な変更を除く)ごとに給水装置工事主任技術者を指名しないとき。 | 給水装置工事申込書の給水装置工事主任技術者を記入する欄が空白の場合は、記入するよう指導する。 | ― | |||||
2 配水管から分岐して給水管を設ける工事及び給水装置の配水管への取付口から水道メーターまでの工事を施工する場合において、当該配水管及び他の地下埋設物に変形、破損その他の異常を生じさせることがないよう適切に作業を行うことができる技能を有する者を従事させ、又はその者に当該工事に従事する他の者を実地に監督させないとき。 | 配管技能者を従事させ、又は監督させるよう指導する。技能を有する者は公的な資格、民間の資格又はこれらに類するものにより判断するが、資格を有していない場合であっても実際に技能を有しているか否かにより最終判断する。 | 30点 | ||||||
3 企業長の承認を受けた工法、工期その他の工事上の条件に適合しない工事を施工したとき。 | 「給水装置工事設計及び施工基準」等に従わない場合は、適合させるよう工事のやり直しを指示する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 90点 未対応 500点 | ||||||
4 給水装置工事主任技術者及びその他の給水装置工事に従事する者の給水装置工事の施工技術向上のために、研修の機会を確保するよう努めなかったとき。 | 研修の機会を確保するように指導する。 | 10点 | ||||||
5 水道法施行令第6条に規定する給水装置の構造及び材質の基準に適合しない給水装置を設置したとき。 | 基準に適合するよう工事のやり直しを指示する。 | 480点 | ||||||
6 給水管及び給水用具の切断、加工、接合等に適さない機械器具を使用したとき。 | 適正な機械機器具を備え付けるよう指導する。 | 100点 | ||||||
7 指名した給水装置工事主任技術者に、施工した給水装置ごとに工事記録を作成させなかったとき。又は、当該記録をその作成した日から3年間保存しなかったとき。 | 記録の作成・保存を指導する。 | 180点 | ||||||
⑤ 工事施工に関する義務違反 | 1 給水装置の検査の際、企業長の求めに対し、正当な理由なく給水装置工事主任技術者を検査に立ち会わせないとき。 | 当該業者から事情を聴取して指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 100点 未対応 500点 | |||||
2 給水装置工事に関する報告又は資料の提出の求めに対し、正当な理由なくこれに応じず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。 | 当該業者から事情を聴取して指導する。指導に従わない場合は指定を取り消す。 | 判明時 100点 未対応 500点 | ||||||
3 施工した給水装置工事が水道施設の機能に障害を与え、又は与えるおそれが大きいとき。 | 水道施設を破損した場合は、現状復旧を指示し、文書で注意する。悪質な場合は即指定を取り消す。また、水道法違反の事実が明白であり、かつ重大であるときは、指定を取り消す。 | 300~500点 | ||||||
⑥ 不正申請 | 1 不正の手段により指定工事業者として指定を受けたとき。 | 事実が判明したら、速やかに取消し行う。 | 500点 |
法:水道法 施行規則:水道法施行規則 指定工事業者規程:茨城県南水道企業団指定給水装置工事事業者規程
別表第2 処分等に関する基準
内容 | 累積点数 | 処分等の内容 |
処分 | 500点以上 | 指定の取消し |
指導に従わないとき | ||
400点以上500点未満 | 指定の停止6か月 | |
300点以上400点未満 | 指定の停止3か月 | |
200点以上300点未満 | 指定の停止2か月 | |
100点以上200点未満 | 指定の停止1か月 | |
指導 | 100点未満 | 文書注意 |